国民健康保険
国民健康保険は、病気にかかったり事故にあったときの高額な医療費負担を軽減するために、相互扶助の精神に基づいて創設された公的医療保険です。医療保険とは、病院で医療を受けたときの医療費の支払額の一部または全額がカバーされる保険で、加入者は収入に応じて保険料を出し合い、医療を受けたときには医療費の負担が3割で済み、残りの7割はみんなが出し合った保険料の中から支払われます。 例えば風邪で診察を受け、医療費が8千円程度かかった場合、実際の支払額は3割の約2400円となります。このように医療費の負担が少なくて済むのは、残りの7割が医療保険からの支払いでカバーされているからです。このように全国民が医療を受けられるようになったのは、国民皆保険制度が開始された1961年からのことです。
国民保険加入義務
この国民健康保険は5200万人が加入し、7600万人が加入する職域保険とともに公的な医療保険制度を構 成しています。職域保険は、さらに企業が運営する組合健康保険、政府が運営する政府管掌健康保険、船員向けの船員保険、公務員や私立学校の教師向けの共済組合、などに分かれています。日本では「国民皆保険」体制のもとで、日本国民はいずれかの公的医療保険に加入する義務があります。
国民健康保険は農業従事者、自営業者、失業者、退職者、無職の人など、他の公的な医療保険に加入で きない人が加入します。会社を退職した人なども、家族の扶養に入りいずれかの健康保険に加入しない限り、国民健康保険に加入することになります。加入しなくても罰則はありませんが、医療費を全額支払わなければならなくなります。制度が出来た1938年当初は農山漁村の住民を対象としていましたが、1958年から企業や官公庁に勤めていない国民にまで対象が広げられています。
保険の運用についてですが、国民健康保険は主に地方公共団体(市区町村)ごとに運営されています。 したがって、地域ごとの医療費の使用状況や加入者の年齢構成、収入状況により保険料が異なります。 最近では高騰する医療費を負担しきれなくなり、また少子高齢化により保険料の担い手が減っていることから、国民健康保険の保険料の高騰が多くの自治体で問題となっています。国民健康保険に加入していると、医療費の負担が少なくなるだけではなく、出産時や死亡時、一定額以上の高額な医療費を支払った場合などに給付金を受け取ることが出来ます。